第3回|他者と関わり自分を知る

心の回復を促すレジリエンスの取り組みは、まず対象者の心の状況を把握することから始めます。レジリエンスは「自分は誰か(I am)」「自分のスキルや能力に対する自信(I can)」「自分の持つ社会資本(I have)」の三つから構成されています。

まずは対象者に、この三つの分野に関する15の質問からなる質問票を渡します。「私は人々に好かれ、愛される人間である」「私は自分が怖いと思うことを人に話すことができる」「私には何があっても愛してくれると信じられる人がいる」などの問いに、「はい、いいえ、時々」のいずれかで回答してもらいます。

答えは点数化し、対象者のレジリエンスを分野ごとに可視化します。

その上で本人に点数を伝え、「対話」を持ちます。この対話が大切な一歩。「質問に答えてみてどうでしたか」「分野ごとの点数を見てどんなことを思いましたか」といった問いを立て、対象者が話をしながら自分の内側を見つめ、感じていることを他者と共有する環境をつくります。

これは、レジリエンスで高得点を目指すために行われるわけではありません。点数は目標を過ぎず、逆境状況にしなやかに対応するために、自分はどの分野のレジリエンスを発揮できるのか、どうして特定分野のレジリエンスのバネが縮こまっているのかを、他者と一緒に振り返ることによって自分を知る、あるいは知ってもらう機会をつくることにあります。

レジリエンスは、その人の気質に加え、他者との関わりによって育てていくことができる力です。そのため関わる側は、対象者の語りに耳を傾けながら、本人が自身のスキルや能力、社会資本に気づき、構築できるように導くことで回復に寄与します。次回はその具体的な方法をお伝えします。

レジリエンスには「相手を信じて待つ」関係性が存在することが大切

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