Ep. 015
情緒的剥奪とは何か
今回のエピソードでは、前回に引き続き、Toriiが取り組んでいるTRCというプロジェクトについてお話ししています。 #14では、この事業が生まれた背景とユニークさに焦点を当てました。#15では、その中で見えてきた「情緒的剥奪」という視点に焦点を当てていきます。
情緒的剥奪とは、「大切にされている」「ここにいていい」と感じられるような、感情的なつながりや絆を十分に持てなかった状態を指します。 それは特別な環境に限らず、どの社会や家庭にも起こりうるものです。
TRCの調査では、貧困などの外的条件だけでなく、こうした要因が他の脆弱性と重なったときに、人身取引のリスクにつながる可能性が見えてきました。 一方で、それ自体が必ず問題に直結するわけではなく、その後にどのような関係性や経験に出会うかが影響していく可能性も示されています。
遠い問題のように見える出来事の中に、自分たちの日常や関係性とつながるものがあるのかもしれない。 そんな問いをひらいていくエピソードです。
【このエピソードで話されていること】
・情緒的剥奪とは何か
・それが生まれる背景
・人身取引との関係性
・日本とのつながり
・サバイバーリーダーがもたらした革新的な視点
【TRCとは】
TRC(Tafteesh Resilient Community)は、2023年からインドで行われている人身取引予防事業です。従来の「犯罪を防ぐ」「啓発する」といったアプローチとは異なり、「予防とは何か」そのものを問い直すところから始まっています。
特徴的なのは、外から介入するのではなく、サバイバー自身が主体となってコミュニティに入り、対話を通じて現場の実態を明らかにしていく点です。
その中で見えてきたのは、貧困などの外的条件だけでなく、人との関係性や「大切にされている実感」の欠如といった情緒的剥奪要因が、人身取引の脆弱性と深く関係している可能性でした。
TRCは、こうした気づきをもとに、コミュニティ・行政・警察などの関係性を紡ぎ直しながら、内側から予防を捉え直そうとする実践です。
【Tafteeshとは】
TRCは、2013年からインドで続けられてきた「Tafteesh」という取り組みを基盤としています。子どもや若者、コミュニティが主体となりながら、地域の中で子どもを守る仕組みを育てていく実践が積み重ねられてきました。TRCは、その実践を引き継ぎながら、新たな視点を加えて展開されています。
Tafteesh公式ウェブサイトはこちら
【クラウドファンディングについて】
この取り組みを継続・発展させていくため、6月10日よりクラウドファンディングを予定しています。詳細は順次ご案内します。
【関連エピソード】
今回のエピソードの中でも触れている「サバイバーリーダーシップ」については、#11 で詳しくお話ししています。
#14・#15 をより立体的に受け取っていただけると思います。あわせてご視聴ください。
#11 サバイバーリーダーシップ ー傷は、関係性のなかでしか癒されない - ぽんと、とぶ —— 静かな声と社会をつなぐPodcast | Podcast on Spotify
エピソード内で清水が紹介した共同創業者Umaの映像はこちらよりご覧いただけます。トリイ 寄付|トラベルコンパニオン(月額寄付で社会変革に参加) — 一般社団法人Torii