Ep. 010

レジリエンスは、流れている ― インド事業からToriiへ

#10 のテーマは、レジリエンス

2026年最初のエピソードでは、Toriiのこれまでとこれからを静かにつないでいる「レジリエンス」というエッセンスを手がかりに話しました。

13年間続いてきたインドでの人身取引事業。 そして今、Toriiとして動き始めている、ロヒンギャ難民支援、脆弱性の高い若者に向けたリーダーシップ育成、オンライン詐欺・闇バイトという新しい形の人身取引への取り組み。 テーマも場所も異なるこれらの事業は、一見すると別々のものに見えるかもしれません。

けれど、そこには確かに同じ「手触り」が流れています。 それは、誰かを「弱い存在」として扱うのではなく、人がもともと持っている力が、関係性や環境のなかで再び息を吹き返していくプロセスに目を向けること。

インドでの具体的な経験を振り返りながら、レジリエンスを「個人の強さ」ではなく、「関係性のなかで立ち上がる力」として捉え直していきます。

一見つながっていないように見えるものが、実は深いところでつながっている。 その感覚は、「これまで」と「これから」が地続きであるという、ささやかな希望にもつながります。

新しい年のはじまりに、自分の中や自分のまわりで、どんな関係性や空気がレジリエンスを育てているのか。 そんな問いを、そっと手元に残すエピソードです。

〇ことばの水脈コーナー【レジリエンス】

※テーマに関連する言葉(例:レジリエンス、正義、差別、境界など)をひとつ取り上げて、その語源や歴史、文脈、誤解されやすい点などを簡単にひもとくコーナーです

「レジリエンス」という言葉は、もともと物理学の分野で「跳ね返る」「元に戻る」といった意味を持つ言葉でした。そこから心理学や社会科学の文脈に取り入れられ、困難や逆境に直面したときに、再び立ち上がる力、回復する力として語られるようになります。

レジリエンスはしばしば「折れない強さ」や「我慢して乗り越える力」として使われますが、悲劇や大きな困難を「乗り越えた証」としてだけ現れるものではありません。レジリエンスは、個人の内面にある資質ですが、あるかないか、だけではなく、育てていくことのできる資質です。人との関係性や、置かれている環境との相互作用のなかで育まれ、時に失われたり、取り戻されたりするものです。だからこそ、レジリエンスについて知ることは「その人が弱いか強いか」を判断するための言葉ではなく、組織や社会のなかで、どんな関係性や環境が、その人が持っているレジリエンスを引き出し、あるいは奪っているのかを読み解くためのレンズにもなると考えています。

最近Torii共同代表の清水が、共同通信でこの「レジリエンス」に関する全8回の連載を行ってきました。12県の地方紙で掲載されていますので、ご興味がある方はお問い合わせください。Podcastのこのエピソードでは、「レジリエンス」という言葉を手がかりに、これまでの実践や、いま動き始めている取り組みのあいだを流れている、目には見えにくいけれど確かに存在している水脈を、少しずつたどっていきたいと思います。

〇トラベルコンパニオン・キャンペーンがはじまりました

https://syncable.biz/campaign/9256

Toriiは、社会課題を「解決する」前に、 その問いと向き合う私たち自身との関係性に、静かに立ち戻ることを大切にしています。

私たちは、継続的に関わってくれる人たちを ”Travel Companion(トラベル・コンパニオン)”と呼んでいます。

それは、支援する人/される側という関係ではなく、同じ問いを携えながら、それぞれの場所で、ともに歩く仲間でありたいからです。

私たちは多くの方と一緒に、社会の見え方が少しずつ変わっていくプロセスの旅を、ともに問い続け、ともに歩んでいきたいと願っています。

※現在キャンペーンは終了していますが、常時登録を受け付けております。くわしくはこちら


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