第8回|若者の声は大人の心映す鏡

「ギフト」の種の声聴いて

2023年に神奈川県や東京都、沖縄県の若者を対象に、彼らの声を聴くワークショップを実施しました。

「自分らしさを失いたくないけれど、他者の目が気になる。うまく社会の枠に適合できない」「普通に学校に行けない自分はダメな人間だ」「普通に働けない自分は社会にいる価値がない」「女の子だから、私は兄のように自由にはできない」…。出てきたのはたくさんの「ダメ出し」の声。

こうした声は大人の頭の中で流れるナラティブ(物語)の映し鏡です。若者が自殺や不登校、ひきこもりという形で社会に発する叫びは、大人がこれまでふたをしてきた声がにじみ出た、社会の空気感に対する彼らなりの反動のように思えるのです。

自分へのダメ出しのストーリーが変化する一つの鍵は、自分が生まれ持った資質である「ギフト」を再発見し、それを生きることだと私は学びました。私たちは誰もがギフトの種を持ってこの世に生を受けています。家族や文化から世代を超えて受け継いだギフトの種、生まれながらにしてこの世にもってきた夢や、あなたらしさの種。

生きるの中でつぶされ、忘れてしまったそれらの種の小さな声に耳を傾けるとき、悲しみや無力感、「どうせ」という言葉でのみ込んだ向こう側に、新しい景色が広がる可能性が生まれます。

生きる力あふれる社会を次世代に手渡すために、今、私たち大人が小さな勇気を持つことが必要である気がしてなりません。頭の中で無自覚に繰り返しているダメ出しストーリーに気づき、勇気を持ってギフトのストーリーにギアチェンジをする。そしてそのモードで子どもや若者たちの話に耳を傾け、関係性を再構築した先に、しなやかで生きる力が湧いてくる社会が必ず待っていると私は信じています。

=おわり

子どもたちが持って生まれたレジリエンスを発揮するために、大人にできることはたくさんある


さいごに

この連載で清水が見つめてきたのは、「困難に直面した人をどう助けるか」だけではありません。

人が自分の声を取り戻すこと。
自分の中にすでにある力や「ギフト」に気づくこと。
そのために、他者とのあいだにどのような関係が必要なのか。

こうした問いは、現在Toriiが取り組む「関係性の紡ぎなおし」にもつながっています。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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第7回|閉じ込められた声を聴く