第1回|困難から立ち直る力が鍵

子どもらの叫び 受容できる社会へ

2020年4月、新型コロナウイルスの猛威を前に緊急事態宣言が出ると、子どもたちの授業はオンラインになり、仕事は在宅勤務が増え、ソーシャルディスタンスが叫ばれるようになりました。

夏前にいったん収束し、やっと学校が再開されたころ、息子の友人の1人が飛び降りて亡くなりました。学校や家庭でもめ事があった様子はなく、子どもたちも先生も私たち大人も大変なショックを受けました。私はまだ、お葬式で号泣する子どもたちやご家族の声を忘れることができません。

昨年(2024年)の小中高生の自殺者数は過去最多でした。大人の自殺は減少傾向にあるのに、子どもの、特に女子中高生の自殺率が上がっています。誤解がないように書いておきますが、私は自殺の原因を探ったり、誰かの責任を追及したりしたいわけではありません。むしろ自殺や不登校といった現実から何を学び、どうすれば社会が子どもたちの叫びに耳を傾け、それを受容して変わっていけるかを模索したい。その一つの鍵が「レジリエンス(困難から立ち直る力)」にあると考えています。

私はこの12年、インドで人身取引の被害に遭ったサバイバーたちと一緒に仕事をしてきました。同じ人間に金銭で売買される人身取引は、被害者の世界観や他者との関係性を根底から壊します。

救出され、自宅に戻った後、自殺する人もいる中で、私たちが一緒に歩んできた417人のサバイバーは、持って生まれた自分の才能や人間性に光を当て直し、今はさまざまな分野のリーダーとして社会に関わっています。その過程でレジリエンスをどう身につけていったのか、翻って日本で何が可能なのかを、皆さまと一緒に考えていきたいと思います。

清水友美さん(中央)と、インドの人身取引サバイバーたち=photo by Siddhartha Hajra

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第2回|誰もが持つバネの力